場所のチカラ

様々な場所や景観などについてとりとめなく綴ります。

長崎県立美術館 長崎市出島町

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建物緑化のしかた

 長崎県立美術館(県美)はとても美しい建築で、その外観に緑の法面があることに気づかれるかと思います。近くにある長崎港松が枝国際ターミナルも同じく緑化されているのですが、比べてみると、ターミナルは芝による屋上緑化で、建物の上に芝地がつくられています。一方、県美は、建物の上ではなく側面に盛土をして緑化されています。

おそらく、建物工事中に出てきた土をうまく利用し、隣の水辺の森公園と視覚的につなごうとしたものだと思います。

この法面保護工法は一般住宅においても、高低差を擁壁よりも安価に、また見た目を穏やかに仕上げることができます。それでは、どんな植物が使われているのか、近寄ってみました。

 

法面を保護する植物

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 ササ(チゴザサ)が植栽されており、斜面の土が崩れないように保護しています。管理頻度の問題で、雑草が混じってはいるのですが、個人的には、むしろ、完璧にするよりこの程度の管理のほうが好きです。

 ところで、はじめ1枚目の写真の三角右端が土の色が見えますが、おそらく、この辺りは勾配がきつく、乾燥しやすいため、枯れてしまったんじゃないでしょうか。なかなか、建物と敷地の取り合いで、法面を緩やかにするのは難しかったりするのですが、その後の管理を考えると、できるだけ緩やかにしたほうが理想的ではあります。